外資系企業で働くということ

2020年、いよいよ日本企業でも、終身雇用の崩壊が始まりました。
そもそも、年功序列や終身雇用という、日本独特の人事制度が存在しない外資系企業に、20年以上も勤めていた私にとって、会社に依存しない(できない)のは当たり前でしたし、
自分の力でキャリアを積み上げていくには、高い専門性を持つことや、武器となるスキルを磨くしかありませんでした。なので「これからは会社ではなく、個の時代」と言われても、
たいして驚くようなことでもありません。置かれた環境で鍛えられたのかもしれませんね。
そこで、今回は外資系企業での働き方について、幾つかピックアップしてみたいと思います。
成果主義
MBO(Management by Objective)という目標管理制度が定着しています。
自らが目標を設定し、評価期間内に個人の成し遂げた仕事の成果次第で、昇給も役職も決まるという、シンプルで明確な人事考課システムです。
個人の目標といっても、まずは組織の経営目標があり、自分の所属する部門の目標があり、それを達成するために個人が何をするべきか…というように落とし込んでいきますので、組織の一員としての責任感や連帯感を持つことができます。
自己評価と上司の評価に乖離があった場合でも、どのような基準で、どうしてこのような評価となったのか、話し合う機会がもたれますので、透明性が高いといえます。
MBO自体は、多くの日本企業が取り入れていますが、形骸化しているとの指摘が多く聞かれます。評価する側もされる側も、この制度を正しく理解して運営していないのかもしれませんね。
サービス残業が無い
残業自体が無いわけではありません。少数精鋭主義なので、一人一人にかかる負担は、むしろ大きいかもしれません。その日にやるべき仕事が残っていれば、当然、残業してでもやり遂げないといけません。
ただ、上司の顔色を伺って、タダ働きをするといった発想が、そもそも無いということです。
欧米の人は、どんなにバリバリ働いている人でも、夏と冬には数週間のバケーションを取ります。オンとオフの切り替えを上手にする姿を身近で見ているうちに、自然と、仕事とプライベートの切り替えを意識的にするようになります。
プレゼンテーション能力が必要
先に挙げた、人事考課の話に繋がりますが、どんな部署、役職にあっても、年に一度、自らの言葉で、自分の実績を、直属の上司に対してアピールしなくてはなりません。
日本人はプレゼンテーションが下手と言われますが、そんなことは言ってられません。その良し悪しによって、自分の評価が決まるのですから、感情的にならず、論理的に自分をアピールする術を身につけていくしか無いのです。
異文化コミュニケーションを学ぶ
社内の外国人スタッフや、本社の外国人スタッフと働きながら、自分とは違う言語、歴史、文化、価値観を持つ相手を“受容”することを学んでいきます。
まずは、自分と相手の違い、多様性を受け入れる事。これができないと、外国人と働くのは、ただただストレスになるかもしれませんね。