改正動物愛護法と飼い主の責任

2019年6月、「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」が公布されたのをご存知でしょうか?
私は動物好きが高じて、動物関連の資格をいくつか取っているのですが、知識や技術の習得以前に、まず第1に学ぶのは、動愛法と飼い主の責任についてです。
大多数の飼い主さんは、ペットを家族や我が子の様に愛し、大切に育てていると思います。今後、ペットを飼ってみたいという方もおられるでしょう。どちらにしても、知っているようで知らないことが多いと思いますので、飼い主として、最低限、知っておくべきことをまとめてみたいと思います。
 改正動物愛護法について

① 犬や猫へのマイクロチップ装着を、ブリーダーや繁殖業者には義務化し、既に保有している、一般の飼い主には努力義務とする。

② 動物虐待の厳罰化 (5年以下の懲役または500万円以下の罰金)

③ 8週齢(生後56日)未満の犬・猫の販売を禁止。

④ 自治体(保健所)は、所有者不明の犬猫や、業者から持ち込まれた犬猫の引き取りを拒否できる。また、終生飼養の原則に照らし、相当の理由が認められない場合、飼い主からの引き取りも拒否できる。

施行は公布から、1年、もしくは3年かかるものもあるようですが、これにより、悪質なブリーダーや販売業者が無くなり、安易に自治体に持ち込まれ、結果、殺処分されている不幸な犬猫が、完全にゼロになることを、願ってやみません。
 飼い主の責任
飼育環境やペットフードの質が良くなり、動物医療も進歩している昨今では、ペットの寿命も伸長マーケティングアナリスト三浦展氏の著書「中高年シングルが日本を動かす」(朝日新書)では、男女ミドル層(35-59歳)の消費キーワードの一つとして、「ペット」をあげています。現在、ほぼ6人にひとりがペットとして、犬猫を飼っているそうです。
けれども、飼い主の責任について、よくよく考えたことはあるでしょうか?最も重要な事を一つあげるとしたら何と答えるでしょうか? 
それは“終生飼養”の責任だと思います。文字通り、命ある限り、最期まで責任を持って育てるということです。
ペット達は、人間よりもずっと早く年をとり、老いていきます。ただただ可愛いだけの時代は、あっという間に過ぎ去ります。外見だけでなく、いろいろと体の不調が現れ、体力的にも、経済的にも、ペットオーナーの負担も増えていきます。だからと言って、途中でお世話を諦めてはいけないのです。
ペットを飼うには、その覚悟が必要なのです。
勿論、飼い主が病気や怪我でお世話が出来なくなってしまったり、亡くなってしまったり…、止む終えない事情もあるのでしょうが、万が一の場合、どの様に対処するかは、飼い主が元気なうちから考えておくべきです。
ここ数年、老犬・老猫ホームや、介護を専門にした、ペットシッターなども増えています。簡単に自治体に持ち込んだり、ましてや、遺棄するなんて以ての外です。
そして、人間社会に適応できるように、適切なしつけと、近隣への配慮も必要です。
愛犬と散歩をしていると、「犬にオシッコをさせないでください」「糞は持ち帰ってください」と書かれた貼り紙を目にします。
飼い主として、犬猫にしつけをすることも大事ではありますが、まずは、飼い主自身が、最低限のマナーや知識を身につける必要がありますね。
ペットオーナーには、それぞれの価値観、考え方、ライフスタイルがあるでしょう。けれども、ペットの心と体を支えてあげられるのは、飼い主だけなのです。
私自身、ペットオーナーの1人として、少しでも長く、幸福な毎日を共に過ごせるように、その時々で、最善のことをしてあげたいと思っています。