知っておきたいファッションと環境問題

Covid-19の影響で、経済活動が縮小され、人々が不要不急の外出を控えることで、大気汚染の改善や温室効果ガスの排出量が減少し、その反面、自宅で過ごす時間が増えたことにより、家庭から出されるゴミが増えたというニュースが流れていました。
近年、様々な環境問題が深刻化し、メディアで大きく取り上げられるようになりました。それに伴い、企業のみならず、私たちひとりひとりの意識も、格段に高くなっています。
それではファッション業界はどうでしょうか?
衣料品や靴などの製造過程で、温室効果ガス(主にCo2)排出量は世界全体の排出量の8%を占めています。アパレル・ファッション業界は、世界で2番目の環境汚染産業と言われ、その上、大手アパレルや海外有名ブランドの、売れ残り在庫の大量廃棄が表面化し、ファッション業界全体が非難に晒されたのも記憶に新しいところです。
しかし、数年前より、地球環境に及ぼす悪影響を削減すべく、積極的な取り組みが始まっています。
今回は、「SDG’s 」「ファッション業界気候行動憲章」ファッション協定」、この3つのキーワードを抑えておきましょう。
1. SDGs (Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)
2015年の国連サミットで、地球環境を変えるための、17の具体的開発目標が採択されました。ットで、地球環境を変えるための、17の具体的開発目標が採択されました。
これが、環境問題に真剣に取り組むきっかけとなりました。”Sustainable (サステナブル)”、”Sustainability (サステナビリティ)”という言葉が、盛んに使われるようになったのも、この頃からだったと思います。
2. ファッション業界気候行動憲章
2018年12月、ファッション業界気候行動憲章(Fashion Industry Charter for Climate Action)が採択され、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局のもと、グローバル・ファッション業界全体が一致団結して、2030年までに温室効果ガス排出量を30%削減するために、積極的に取り組むことに合意しました。
すでに100以上の企業や組織が署名していますが、日本ではアシックス、ファーストリテーリング、YKKなどが署名しています。
3. ファッション協定(Fashion Pact)
2019年8月、ケリンググループ(グッチやサンローランなど、数多くのハイブランドを保有している)とフランス政府主導で、グローバルファッション企業32社と協力し、「地球温暖化の阻止」「生物多様性の復元」「海洋の保護」の3つの分野で目標を掲げ、実践するために「ファッション協定」を結びました。
その後、ファッション及びテキスタイル企業56社、ブランドは250以上が参加しています。因みに、日本企業はゼロでした。(2019年10月時点)
こうして、地球環境問題という世界共通の課題に、ファッション業界全体で取り組むことが、公に宣言されたのです。
消費者側も、社会や環境に配慮していない商品は買いたくない…という人が増えているそうです。勿論、衣服も服飾雑貨も例外ではありません。利益ばかりを追い、社会的責任を果たさない企業やブランドは、今後、淘汰される運命かもしれませんね。